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顎関節症

顎関節症とは・・・
●下あご(下顎)の運動時の顎関節部の痛み
●関節部の雑音
●口の開け閉めがしにくい
を主症状とする症候群です。
 広島大学歯学部の石川教授は、顎関節症と気付いた患者の年齢により症状は異なると述べています。
 すなわち学童や若青年期には、上記の症状(音、疼痛、開口障害)が主であることが多く、中高年期になるにつれ、顎関節を中心として、頭や首に症状が波及することが多くなり、更に長年の悪習癖により口を開ける筋肉のゆるみによる症状をきたすようになると指摘しています。
 なかには、更年期障害や自律神経失調症に伴う不快症状などと思われていることも多いようです。
 顎関節症患者にみられる主な病状および随伴症状には下記の様なものがあります。
 症例の年代別分布状態は15,16才頃に急増しています。
眼症状
(眼痛、目の疲れ)
耳症状
(耳痛、耳閉、耳鳴り、めまい)
舌症状
(舌痛、味覚異常)
顎関節症状
(音、疼痛、開口障害)(脱臼、顎揺れ)
歯・歯肉症状
(疼痛)
耳下腺部症状
(腫大、顔面神経麻痺)
顎下・咽喉頭症状(前頚部)
(嚥下障害、絞約感)
首・肩症状(後頚部)
(肩こり)
精神的不安
(更年期障害、自律神経失調症)
頭部症状
(片頭痛)

顎関節症の原因は・・・
 あごの関節を動かす下顎頭が関節結節の最突端を越えて正常範囲をはずれ、口を過剰に開ける動作を無意識に繰り返すために関節部を包む袋が緩み、顎関節症が起こると考えられています。
 すなわち過剰開口や下顎の突き出し癖により、筋活動に異常を与えることが本症の本質的病因であり、これにう蝕歯や欠損歯、不良処置歯などによる咬合不全、さらに各種の精神的ストレス(受験、仕事、不満など)が付け加わって、本症が増悪したり、自覚のきっかけになるとされています。

開口時の関節窩と下顎頭位の位置的関係

A/口を閉じた時
B/少し開けた時
C/生理的に大きく開けた時
D/過剰に開けた時


治療からみた本症の病因究明
 ヒトで最も特徴的な進化は、強い欲求により発達した大脳の増量に伴う頭蓋形態の変化です。
 すなわち、脳頭蓋と顔面頭蓋の関係が前後的であったものが、上下的関係に変化し、脳頭蓋が顔面頭蓋の上に載ってきました。関節症状を有しない健常成人でも、だれも過剰開口をすることがわかってきました。
 この不均衡運動に絶えられなくなった病態が顎関節症といえます。なお、柔らかい食べ物をとるために咬合力が低下や弱化し、顎骨の退化や狭小化の原因となったとする説もあります。
 しかし、むしろ解剖学的進化により顎骨形態の変化が先行し、さらに精神文化的発達を伴って、強いそしゃく力を要せず、調理した美味な食べ物を求めるために、前述のような現象を発現させたと考えられます
 ヒトの頭蓋の進化は智歯の埋伏化や歯の退化の誘因となり、また智歯周囲炎を増加させたことになります。
 石川教授によると、図に示した下顎頭C位までの開口範囲で開口訓練を本症患者に行った結果、ほとんど全例の主症状や随伴症状が改善や完治したとのことです。
 この治療結果は本症の主病因が、関節構造を逸脱した無意識の過剰開口によるものであり、開口筋の誤用により筋・筋膜の疲労に伴う疼痛やけいれんに基づく、筋・筋膜性疼痛症候を主症状とし、これに各種の増悪因子が加わってより悪化することを示しています。

マイオモニター

顎関節症の治療機器

 

 

顎関節症のセルフマネージメント

<一般的な注意>
●歯の食いしばりを必要とするような動作は避けてください。
●たとえ調子のいい時でも、急に顎を動かす動作は避けてください。
●あくびをする時には、大きく口を開けずにすむようにしてください。
●関節や筋肉が疲労するので、長時間の会話や大きな口を開けて笑う動作は避けてください。
●正しい姿勢を心がけるようにしてください。
●電話を肩と首ではさんで仕事をするのはやめましょう。
●ほおづえをつくのはやめましょう。
●つめ、鉛筆、パイプなどを噛むのはやめましょう。また、管楽器の演奏も症状が出ている時は避けてください。
●緊張の連続は、無意識のうちに全身の筋緊張を招き、顎の筋肉も緊張します。時折、緊張を開放することが必要です。

<食事での注意>
●咀嚼するのに噛みしめる必要のある硬い食品は避けて、関節や筋肉に余計な負担をかけないようにしてください。
●食物を咀嚼する時はなるべく両側の奥歯を使ってください。
●長時間にわたってガムを噛んだり噛みしめるのはやめましょう。

<寝る時の注意>
●うつ伏せで寝ると、関節や筋肉を圧迫して痛みが出やすくなるので、なるべく仰向けで寝るように習慣づけましょう。

<スポーツについての注意>
●全身的な運動は血液の循環が改善され筋緊張をほぐしてくれます。ただし、激しい運動や強い噛み締めが必要なものは避けてください。
●寒いところで行うスポーツの場合、寒さで痛みが強くなる恐れがあります。
●格闘技など顎に打撲が生じやすいスポーツも避けてください。
●スキューバダイビングは比較的長時間マウスピースを噛み締め、また、関節や筋を冷やす可能性があるため、症状が出ている場合は避けてください。
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